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Posted on 2014-12-05
屋上インタビュー完全版 vol.29 / 永原さくら〈作詞家〉

PGR インタビュー 永原さくら
いきなりですが、今回のインタビューは作詞家の永原さくらさんです。実は今回、屋上遊園地でアルバイトをしていた屋上好きの女性にインタビューをしていたつもりが、いきなり『私、作詞家なんです』なんてカミングアウトするもので、急遽、作詞家・永原さくらさん(屋上遊園地でのバイト経験あり)へのインタビューに変更しちゃいました!だから作詞活動についてのお話はまるで無しです(言い訳!!)。でも、ステキな屋上のお話はたくさん聞けましたよ!

Interview&Text ● 水野 桂助
Photos ● 奥野 浩次

なぜ、屋上遊園地でバイトをしようと?

永原さくら:昔から誰かを楽しませて自分も楽しめる場所や物事にとても興味があって屋上遊園地で働いてみたかったんです。でも、なかなかアルバイトの募集が出ていなかったので、直接電話をかけて『バイトしたいんです!』と交渉したんです(笑)採用してもらえて、本当に運が良かったですね。

かなりアクティブですね(笑)。実際に働いてみてどうでしたか?

永原さくら:実は私、大学の卒業論文で遊園地について書いたぐらい遊園地が好きで(笑)。働いてみて実感したんですが、大きな遊園地も好きだけれど、お客さんとの距離が近くて、小さい頃の思い出もある屋上遊園地が特に好きだ!って思いましたね。

小さい頃の思い出?

永原さくら:はい、私は両親が共働きだったので、小学校に入る前の平日は祖父母によく地元の屋上遊園地に連れていってもらってて。定番の過ごし方はオレンジシャーベットを買ってもらって食べてから、ミニ新幹線に乗せてもらうっていう。ミニ新幹線に何度も何度も乗りたいとせがんで困らせていたみたいです(笑)。そして、休日は休日で両親とデパートで買い物した後、屋上遊園地へ!両親とは、祖父母ではよく分からないアーケードゲームで遊べたので別の楽しさがありました。だから、子供の頃の私にとって屋上遊園地は、一緒に行く人によって色々な楽しみ方ができる夢のような場所だったのです。

それは好きになっちゃいますね(笑)。本当に屋上遊園地って楽しい場所だし、すごくどうでもいいような幸せな光景がたくさんありませんでしたか?分かってもらえるかなぁ…。

永原さくら:うーん、お父さんの方がゲームに熱中しちゃって子供があたふたしてる家族とか(笑)。

本当、そういうヤツです。すごく平和な気がして。見てて和みますよね。

永原さくら:私的には、遊びにくる小学校低学年くらいの男の子に結構なついてもらえて『ねえお姉さん、お姉さんのことお姉さんって呼んでいい?』って言われた時は嬉しかったし、今でも思い出して和んでます(笑)。大変だった思い出もありますが、そういう楽しそうなお客さんを見るだけで癒されていましたね。

いいですね!話を聞いてても和みます(笑)。他にもなにか印象に残っていることってありますか?

永原さくら:始めた当初は、屋上遊園地から見える景色って何でもない住宅街だったんです。でも、働いているうちに、親子三世代で遊びにきた家族のお母さんが「昔お母さんはおばあちゃんとあのあたりに住んでたんだよ」と子供に教えている光景を何度か見かけたんです。そういった光景を見ているうちに、屋上遊園地から見えるなんでもない住宅地にも、一人一人に思い出があって、素敵な人生があるんだってことに気付けたのはすごく印象的に残ってます。それまでは夕方になると夕陽の差し込む屋上遊園地に見とれていたんですが、ここから見える景色も綺麗だなあと感じるようになりました。同時に、この屋上遊園地で遊んだ全ての子供たちにとっても、ここが大切な誰かに伝えたい場所になるといいなと思いました。今その屋上遊園地は閉園してしまったのですが、こうして私も思い出を伝えられていることが嬉しいです!

ちょっといい話すぎませんか(笑)?

永原さくら:そうですか?

そうですよ。でも、そんな素敵なバイト先なんで、辞めるのは寂しかったんじゃないですか?

永原さくら:寂しいかったですね…。でも、どうしてもやりたいことがあって。

やりたいこと?

永原さくら:はい、実は私、作詞家なんですよ。

はっ、 作詞家!? 作詞家ってあの作詞家ですか?

永原さくら:はい(笑)。実は大学生のころから活動していて。

ちょっと驚きました。なんか、こんなインタビューですみません…。色々と書かれているんですか?

永原さくら:それなりに(笑)。実は、不思議なことに屋上遊園地で働きだしてから、何故かしばらくうまくいっていなかった作詞活動がうまく行きだしたんですよ!

本当ですか?きっと屋上遊園地効果ですよ(笑)。

永原さくら:実は、本当にそんな気がしてるんです。私にとって屋上は、視界を遮るものがあまりないから素直な気持ちでリラックスできる場所なんです。部屋に閉じこもってずっと考えていても思いつかないことが、屋上だとふと思い付いたり。屋上にいた時間を通して少しずつ良い歌詞が思い浮かぶようになった気がしていて。嘘みたいな話なんですけど、結果的に屋上遊園地で働いていた1年間で、作詞活動がうまく行きだして、夢だったゲームの主題歌や声優さんが歌う曲の歌詞に選ばれることができたんです!

ちょっと、ぼくら的には話が出来過ぎなんですが(笑)。でも、屋上がリラックス出来る場所なのは同感だし、いいアイデアが浮かぶ気がするのはすごく分かります。

永原さくら:ですよね!

そもそも屋上って好きですか?

永原さくら:好きです。今は、屋上から見える景色、屋上で過ごす時間ってこれまで見えなかったものが見えてくる気がしています。それに屋上ってステキな場所ですよね。一人でゆっくり考え事をしてもいいし、友達や家族と語り合っても良いし。なにより私にとって屋上は夢を叶えることができた場所なので(笑)。

もしかしたら、他にも屋上を通して夢を叶えた人がいるかもしれないですね。

永原さくら:確かに。

僕も屋上でもっと過ごせば夢を叶えられますかね?

永原さくら:どうでしょう?私は屋上で次はどんな夢を叶えようか・・・って、考えるだけでワクワクしちゃいます!

(笑)僕もかなえられるように頑張ります!ってか、今日は、思いもよらない展開でびっくりしましたが、本当にありがとうございました。作詞活動頑張ってくださいね。そして、作詞活動について質問できなくてすみません……。

永原さくら:いえいえ(笑)。こちらこそ、ありがとうございます。作詞活動も頑張ります!

ということで、今回もステキな屋上のお話が聞けました!そして、もしかしたら屋上のお話以上に気になるかもしれない永原さんの活動は下のプロフィールからどうぞ!

永原さくら
作詞家。現在は株式会社サイドコネクションに所属し、アニメソング・ゲームソングを中心に作詞をしている。最新作はTVアニメ『大図書館の羊飼い』OPテーマ「On my Sheep」、EDテーマ「青空とグリーンベルト」。趣味は全国の珍スポット巡り。最近イチ推しのゆるキャラは「あまゾネス」。
永原さくら公式サイト『さくらLOOP!』
http://www.nagahara-sakura.jp/

水野 桂助 keisuke mizuno ライター・プレス
1978年愛知県生まれ。relaxみたいな雰囲気のフリーペーパーを創りたい!とそそのかされ、渋谷直角さんのようなインタビュアーが必要だ!と焚き付けられ、巻頭インタビューは雑誌の華だ!とプレッシャーをかけられ、毎号巻頭インタビューを担当する遊びと子育ての両立に悩む2児の父。事務所先輩はじまりの様々なご縁を経て、屋上とそらfreeに最重要ポジションで参加中。帰りたがらない編集長とアートディレクターに挟まれる辛い日々を「みんなで楽しく!」をモットーに乗り切り中。
> twitter @mizu227

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